「ちゃんと寝たはずなのに、朝からもう疲れている」
「生理前はイライラして、生理が終わってもすっきりしない」
それでも仕事や家事は何とかこなせている。
30代後半になってから、そんな「なんとなく不調」が続いていませんか。ひとつひとつの症状は小さく見えるので、わざわざ相談するほどなのか、迷ってしまう人も多いと思います。
「ホルモンバランスが乱れているのかも」と考えるのは、今の変化に気づく自然なきっかけです。ただ、女性ホルモンは、もともと月経周期の中で変動するものなので、疲れやイライラ、肌荒れ、冷えといった症状だけから更年期を判定することはできません。
この記事では、「ホルモンを正常に戻す方法」ではなく、月経との関係や他の症状を整理して、今の自分の変化に必要なケアを探します。
「ホルモンバランスが乱れる」とは、具体的には何のこと?
「ホルモンバランスが乱れている」ときによく語られるのは、たとえばこんな変化です。
- 生理周期がいつもよりずれる
- 生理前にイライラや気分の落ち込みが強くなる
- 寝ても疲れが抜けにくい
- 肌荒れや乾燥が気になる
- 冷えやほてりを感じる
- 眠りが浅い、寝つきにくい
- 頭痛やだるさが続く
こうした不調は、PMSや更年期など、女性ホルモンの変動が関わる場面でもみられます。ただし、これらの症状がある=「ホルモンバランスが乱れている」と判断できるわけではありません。
「プレ更年期」って何?
30代後半になると、疲れやイライラ、生理の変化をきっかけに「プレ更年期かも」と考える人もいます。
ただし、「プレ更年期」は医学的な正式名称ではありません。東京都の医師監修記事でも、メディアなどで使われ始めた言葉とされ、30代で月経周期が安定しているのに不調がある場合は、少なくとも医学的には更年期とは考えないと説明されています。。
一方で、卵巣機能は年齢とともに少しずつ変化していき、30代後半から月経周期の変化を感じる人もいます。日本産科婦人科学会の一般向け資料でも、早い人では30代後半から周期が短くなったり、経血量の変化を感じたりすることがあると説明されています。
そのため、「プレ更年期だから」と決めるより、月経周期が変わっているのか、ほかの症状も続いているのかを見ていく方が、自分の状態を整理しやすくなります。
女性ホルモンはもともと月経周期に合わせて変動していますし、疲れやイライラ、冷えなどは、ホルモンとは別の理由でも起こるからです。
そこで次に、「ホルモンのせい」と決める前に知っておきたい、似た不調の原因を見てみましょう。
起こる症状ではありません。睡眠不足やストレス、貧血、甲状腺の不調などでも似た変化が出ることがあります。
不調原因をホルモンバランスだけに決めつけない
疲れやイライラ、生理の変化があると、「やっぱりホルモンのせいなのかな」と考えたくなるかもしれません。
でも、同じような不調は、別の原因でも起こります。
たとえば、生理前3〜10日ほど症状が強くなり、生理が始まると軽くなるパターンを繰り返しているなら、PMSの可能性も含めて婦人科で相談できます。
一方で、生理が終わっても疲れが続く、一か月を通してずっと調子が悪いといった場合は、月経との関係だけでなく、別の原因も考えてみる必要があります。
たとえば、こんな症状の重なり方があります。
| こんな症状が重なっているとき | ホルモン以外に考えられることの例 |
|---|---|
| 疲れやすい、立ちくらみ、動悸、息切れ、経血量が多い | 貧血・鉄不足など |
| 疲れ、寒がり、むくみ、便秘、体重変化 | 甲状腺機能の変化など |
| 動悸、発汗、手の震え、体重減少 | 甲状腺機能の変化など |
| 眠れない、気力が出ない、何をしても楽しめない状態が続く | 睡眠の問題やこころの不調など |
ここに当てはまったからといって、自分で原因を決める必要はありません。
むしろ、「ホルモンか、それ以外か」を症状だけで見分けるのは難しいからこそ、「いつから」「どんな症状が」「どのくらい続いているか」を見ていくことが役立ちます。
「整える」を、今日選べることに置き換える
「ホルモンバランスを整える」と聞くと、女性ホルモンを正常な状態に戻す方法があるように感じるかもしれません。でも、疲れやイライラの原因が本当にホルモンバランスの不調にあるのかは、症状だけでは分かりません。
そのため、ここでは、ホルモンバランスを「整える」ことを目指すのではなく、睡眠や食事、体の動かし方、日々の負担を少し調整して、今の自分が過ごしやすい状態を探すという意味で「整える」を考えます。
原因がひとつに決められないからといって、何もできないわけではありません。
「ホルモンを整える」ことを目標にするより、今の自分が少し過ごしやすくなる方法を選ぶことはできます。
つまり、
「整える=ホルモンをコントロールする」ではなく、「今の自分に合わせて暮らし方を調整する」ということです。
生活習慣を一気に見直そうとすると、できていない自分を責めることにつながりかねません。睡眠・食事・活動・負担のうち、今日は一つだけ選んでみるくらいで十分です。
- 睡眠:起きる時刻を大きくずらさない、寝る前の照明や音を減らすなど、一つだけ試す
- 食事:特定の食材でホルモンが整うわけではないので、欠食が続くなら主食とたんぱく源を一品足すところから
- 体を動かす:元気な日に、いつもより少しだけ歩く。つらい日は休む
- 負担を減らす:今週やらない家事を一つ決める。症状が出やすい時期を家族や職場と共有する
まず2周期、「いつ不調か」を見てみる
さくらママも30代の頃はこうした不調をまとめて「ただ疲れているだけ」でやり過ごしていた時期がありました。でも、あとから振り返ると、生理との関係を見ていれば、もう少し早く対処の選択肢に気づけたかもしれないと思っています。
チェックしたいのは、「いつ不調な状態になって、いつ軽くなるか」です。
- 生理前に悪化して、生理が始まると軽くなる
- 生理が終わっても戻らない
- 一か月を通してずっと続いている
このパターンによって、次に選べる行動が変わってきます。毎日きっちり記録する必要はありません。
「つらかった日だけ、月経何日目かとその状態を一言書き留める」だけで十分です。あわせて、仕事や家事にどのくらい影響したかも残しておくと、あとで自分の状態を振り返りやすくなります。
記録して、自分のパターンを見える化する
記録するには、記録アプリやカレンダーを使う方法もあります。
生理日や体調の変化を残しておくと、「生理前だけつらいのか」「生理後も続くのか」を見返しやすくなります。
リラックス用品も、症状を治すためではなく、休むきっかけとして取り入れるのはひとつの方法です。
生理日・体調を記録できるアプリ(ルナルナなど)は、2周期のパターンを見える化し、受診のときにそのまま見せられる道具として使えます。無料のカレンダーで代用してもかまいません。
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「ルナルナ」は生理日管理や体調記録、妊活・妊娠・出産、更年期、ピルの服薬管理など、女性の一生をトータルでサポートするウィメンズヘルスケアプリです。スマホで管理が可能です。
一方で、鉄分やエクオールなどのサプリメントは、疲れや冷えだけを理由に選ぶのではなく、出血量や月経の変化、動悸・息切れなど他の症状も含めて考えた方が安心です。
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エクオール配合のサプリメントは、年齢とともに変化する女性の健康のためにおすすめのサプリメントです。エクオールを含むサプリメントはいろいろ市販されています。ただし、疲れやイライラがあるだけで必要かどうかの判断は難しいですね。月経の変化やほかの症状がある場合は、原因を整理したうえで選ぶのがよさそうです。
蒸気で温めるアイマスクのようなリラックス用品も、治療ではなく「休むきっかけ」として選ぶ分には選択肢のひとつです。
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目は思ったよりも疲れているんです。だからたまに温めて休ませる。お風呂のような心地よさ 約40℃をキープしたたま約20分継続するアイマスクはちょっと贅沢なリラックス気分になれます。
婦人科や内科へ相談する目安
もし、現状に不安を感じていて、どこにいつ相談すればいいか迷う場合は、次を目安にしてみてください。
- 婦人科:月経の前後で悪化する、周期・経血量が変わった、月経以外の出血がある。40歳未満で3か月以上月経がない場合も相談の目安です。
- 内科・かかりつけ医:一か月を通してずっと疲れる、動悸や息切れ、体重や便通の変化がある
- 心療内科や相談しやすい内科:落ち込みや興味の低下が2週間ほど続き、仕事や家事に影響している
決められない場合は、予約しやすい方に「月経との関係も含めて原因を絞りたい」と伝えるだけでも構いません。
なお、月経が3か月以上来ない、出血が8日以上続く、めまいや動悸を伴う出血がある場合は早めの相談を。妊娠の可能性がある状態で強い下腹部痛と出血がある場合は、通常の様子見とは分けてすぐに産婦人科・救急に相談してください。
心身のつらさが強い場合は、月経やホルモンだけの問題と決めつけないでください。息切れや胸の痛みが急に強い場合や、消えてしまいたいと感じるほどつらいときも、一人で抱えずに#7119(救急安心センター事業)や相談窓口など、すぐに頼れる先へつないでください。

今の自分に必要なケアを選ぶ
なんとなく不調が続くと、「ホルモンバランスのせいなのかな」「年齢のせいなのかな」と、ひとつの理由に答えを求めたくなることがあります。
でも、疲れやイライラ、生理の変化は、女性ホルモンだけでなく、睡眠やストレス、貧血、甲状腺の不調など、いくつかの要因が重なって起こることもあります。
だから、今すぐ原因を決めなくてもかまいません。
まずは「いつつらいのか」「生理と関係があるのか」「一か月を通して続いているのか」を見てみる。
そのうえで、休み方を少し変える、記録してみる、婦人科や内科に相談する。今の自分に合うものを一つ選べば十分です。
「ホルモンを整えなきゃ」と考えるより、今の自分の変化に気づいて、必要なケアを選んでいくこと。
それも、自分をいたわるためのフェムケアのひとつです。

【参考にした情報】
- 厚生労働省「更年期」
- 厚生労働省「月経」
- 厚生労働省「貧血」
- 女性特有の健康課題を知る、学ぶ! 働く女性のウェルネス向上委員会
- 日本消化器病学会
- 厚生労働省「女性特有の健康課題に関する問診に係る健診機関実施マニュアル」
- 日本産科婦人科学会「PMS・PMDD診療ガイドライン」
- 日本女性心身医学会「PMS・PMDD」
- 日本内分泌学会「早発卵巣不全」
- 厚生労働省「こころの耳:うつ病」
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」
- 厚生労働省「救急安心センター事業【♯7119】とは」
※本記事は情報提供を目的としており、診断や治療を行うものではありません。気になる症状がある場合は、自己判断せず婦人科・内科等の医療機関にご相談ください。

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