トイレに座った瞬間、ドロッと何かが落ちた感覚。見てみると、血というよりレバーのような赤黒い塊。
「生理の時にこんなの今まで出てたっけ?」
一瞬、頭が真っ白になって、スマホで「生理 血の塊」「生理 レバーみたいな塊」と検索する。色や形、大きさまで、やけに細かく覚えてしまう。子宮内膜がそのまま出てきたんじゃないか、何センチだったら危ないんだろう、これって毎回出ていいものなんだろうか——考え出すと止まりません。
もしあなたも今、同じような不安を抱えているなら、まずお伝えしたいことがあります。血の塊が出たこと自体は、それだけで「病気」を意味するわけではありません。
生理の時に血の塊が出ても、それだけで病気とは限らない
月経は、単純な「出血」ではありません。妊娠が成立しなかった周期に子宮内膜がはがれ、血液などと一緒に体の外へ出ていく仕組みです。月経血は通常サラサラと流れやすい状態になっていますが、出血量が多いときには塊を伴うことがあります。
小さな血の塊が月経中に出ること自体は、多くの場合、それほど心配しなくていいとされています。「塊が出た=異常」ではありません。まずはここで、少し肩の力を抜いてもらえたらと思います。
とはいえ、「じゃあどこからが相談した方がいいライン?」というのが本当に知りたいところですよね。
婦人科に相談した方がいい目安
厚生労働省は、月経量が多い状態(過多月経)について、日常生活の中で判断できる具体的な目安を示しています。そのひとつが、
「500円玉くらいの大きさ以上の、レバーのような血の塊が頻繁に出る」
というものです。
ここで大事なのは、「500円玉くらいの塊が1回出た=危険」ではないということです。厚労省が挙げているのは「頻繁に出る」場合。それに加えて、次のようなサインも一緒に見ておく目安として示されています。
- 昼間でも夜用ナプキンが必要
- ナプキンが1〜2時間ほどしかもたない
- めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、疲れやすさがある(貧血のサイン)
- 経血漏れが心配で外出しづらい、衣服や寝具を汚してしまう
正直なところ、「経血量は何mL」と言われてもピンとこないですよね。厚労省もそこを踏まえて、こうした生活の中で気づきやすいサインを目安として示しています。「塊の大きさ」だけでなく、「頻度」「ナプキンの持ち時間」「体調」までセットで見るのがポイントです。
ポイントなる3つの目安
- 小さめの塊がたまに混じる程度で、出血量も体調もいつも通り → 次の月経も含めて、量や塊の様子を記録してみる
- 500円玉大以上の塊が繰り返し出る/昼でも夜用が必要/ナプキンが1〜2時間もたない/以前よりあきらかに増えた → 婦人科に相談する
- 大量出血、強い腹痛、強いめまいがある。または妊娠の可能性がある状態で出血が多い → 様子を見ず、早めに医療機関へ連絡する
何科に行けばいいの?
婦人科・産婦人科です。
「産婦人科は妊婦さんが行くところ」というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、妊娠していなくても、生理の量や血の塊、生理痛について婦人科で相談してかまいません。「これくらいで受診していいのかな」と思う段階でも大丈夫です。
血の塊が増える背景に考えられるもの
病名をずらっと並べても不安になるだけなので、代表的なものだけ触れておきます。
子宮の筋層にできる良性の腫瘍「子宮筋腫」、子宮の壁の中に子宮内膜のような組織ができる「子宮腺筋症」、子宮内膜ポリープなどは、過多月経や不正出血、月経痛の原因になることがあります。
ただし、これらがあるからといって必ず強い症状が出るわけではなく、症状のない小さな筋腫が見つかることもあります。
大事なのは、「自分は昔から量が多い体質だから」と自己判断で決めつけすぎないこと。体質だけでは説明できないケースもあるので、気になる状態が続くようなら、一度確認してもらうという選択肢を持っておいてください。
妊娠の可能性がある人は、少し別に考えてください
これは特にお伝えしておきたいことです。
「いつもの生理だと思っていたら血の塊が出た」という場合、妊娠の可能性がある方もいます。妊娠検査薬などで一度陽性反応が出た後、超音波で確認する前の段階で、月経のような出血が起こることがあります(生化学的妊娠と呼ばれる状態です)。
一方で、「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」は、必ずしも血の塊を伴うとは限りません。むしろ出血や腹痛などの自覚症状がないまま、超音波の検査で分かることも多いとされています。「血の塊が出た=稽留流産」と直結させて考える必要はありません。
妊娠初期のごく少量の出血や軽い腹痛は珍しくないとされていますが、月経のようなしっかりした量の出血や強い腹痛がある場合は、夜間・休日であっても産婦人科へ連絡することがすすめられています。妊娠の可能性がある方は、このページの「様子見の基準」だけで判断せず、早めに相談してください。
婦人科では何を伝えればいい?
「生理の際に血の塊が出ました」というだけでも、先生はわかってくれます。ただ、次のようなことをメモしておくと、診察がスムーズになります。
- いつから増えたと感じるか
- 一番大きい塊はどのくらいか(500円玉くらい、それ以上など)
- 1回の生理で何回くらい出るか
- ナプキンをどのくらいの間隔で替えているか
- 月経が何日くらい続くか
- 生理痛が以前より強くなったか
- めまい・息切れ・動悸などがあるか
- 妊娠の可能性
- 服用中の薬
写真については、抵抗がなければ記録として残しておくのもひとつの方法ですが、必須ではありません。無理に撮る必要はありません。
さくらママの経験談
私も20代の頃、このドロッとした塊にずっと悩まされていました。もともと生理が3日ほどで終わる分、1日あたりの量が多めで、日中も夜用ナプキンを使わないと不安なくらいでした。実際に漏れてスカートを汚してしまったこともあります。
当時は、婦人科に行くのが恥ずかしくて、「痛みもないし、体調も悪くないから」と自分に言い聞かせて、結局受診しないままにしていました。
その数年後、会社の健康診断で「子宮筋腫がありますね」と言われて、そこで初めて原因を知ることになりました。もう少し早く婦人科にかかっていたら、違う選択肢もあったのかもしれない——今もそう思うことがあります。
「これくらい、みんなあることかもしれない」と自分を納得させてしまう気持ちは、私にもよく分かります。それでも、気になることがあるなら、婦人科に相談をして現状を知っておくだけでも違うと思います。
まとめ
生理で血の塊が出たからといって、それだけで病気だと決めつける必要はありません。ただ、「500円玉大以上の塊が頻繁に出る」「昼でも夜用ナプキンが手放せない」「めまいや動悸がある」といったサインが重なる場合は、我慢して様子を見続けるより、婦人科に相談する方を選んでみてください。
まずは、大きさ・回数・ナプキンの持ち時間・体調の変化を、次の生理から少しメモしてみることから始めてみませんか。生理前のイライラについて書いた「生理前、家族にイライラして自己嫌悪…PMSかも?今日からできる対策5つ」でも触れましたが、自分の周期のパターンを知っておくことは、いざというときの判断材料になります。
【出典】
- 厚生労働省「女性特有の健康課題に関する問診に係る健診機関実施マニュアル」(2026年時点)
- Mayo Clinic(月経中の血の塊に関する患者向け情報)
- 米国産科婦人科学会(ACOG)heavy menstrual bleedingに関する情報
- 日本産科婦人科学会(生化学的妊娠・稽留流産・妊娠初期の出血に関する情報)
※本記事は情報提供を目的としており、診断や治療を行うものではありません。気になる症状がある場合は、自己判断せず婦人科等の医療機関にご相談ください。

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