私たち女性にとって、自分の身体を理解することは非常に大切なことです。 とくに膣まわりなど女性特有の器官は重要です。しかし、実際には、多くの女性が自分の性器を十分に観察したことがなく、構造などもあまり認識していないのが現状です。
膣まわりは女性にとってとても大切な存在です。自分の性器の状態や機能を知ることで、健康上の変化に気づきやすくなり、安心感が得られます。
そこで、フェムケアの第一歩として、まずは自分の膣まわりを観察してみることをおすすめします。ここでは自分の膣まわりを知ることの大事さや観察の方法などについてご紹介をしていきます。
多くの女性が自分の性器を十分に観察したことがない事実
自分の周囲の女性に5人に確認するとしっかり見たことがないという方が4人でした。古いデータですが青少年の性行動調査にそのリサーチ結果がありましたので参考にデータを掲載しておきます。これは、国立保健医療科学院の1992年の高校生の性意識・性行動の調査結果の一部を抜粋しました。
資料引用:国立保健医療科学院の1992年の高校生の性意識・性行動の調査結果
今なら自分の性器を見たことがある人が多くなるかもしれませんが、高校生くらいだと恥じらいもあるので本当に答えを言うのもためらわれるかもしれません。しかし、構造上見えづらいのでわざわざ見たりするのが少ないのもうなずける話です。
女性の生殖器の構造について
女性の生殖器は、①外性器と②内性器の2つの部位から構成されます。
①外性器
外性器とは女性器のなかでも体外に出ている部位のこと。『びらびら』と形容されたりすることもある小陰唇やその周りにある大陰唇、陰核(クリトリス)などが含まれます。
②内性器
内性器とは、外からは見えない体内にある生殖器のこと。膣や子宮、卵巣、卵管などが内性器に含まれます。
観察方法
実際に自分の膣まわりを観察するためには下記方法がおすすめです。
①鏡を使う
手鏡や少し大きめのスタンド型鏡などを使うのがおすすめです。結構見づらいので、明るい場所を選びしっかりと観察しやすい環境を整えましょう。
②スマホで写真を撮る
実は鏡が小さいと見えづらいこともあります。そんな場合はスマホカメラで撮影して確認するのも1つの手です。しっかり観察を終えたら写真は削除しておきましょう。
女性器には色や形に個人差がありそれが正常だと知ろう
女性器の形状や色には個人差があり、それぞれが正常な状態です。
英国王立産婦人科医協会メンバーで美容整形クリニック「MYA」のイブラハイム氏( Mofid Ibraheim )によると、外性器の形には大きく分けて7つのタイプがあるとのことです。
1.小陰唇が非対称で小陰唇の片方が長いタイプ
2.大陰唇が歪曲していて、小陰唇が前から見えるタイプ
3.小陰唇が大陰唇より長く目立つタイプ、とてもポビュラー
4.大陰唇が大きく目立つタイプ
5.小陰唇が大陰唇によって完全に隠れている。一番「望ましく思う人が多い」タイプ
6.大陰唇が開いているように見えるタイプ
7.先端に小陰唇が見えるタイプ。「開く直前の花のつぼみ」に例えられる
ただし、どのタイプにも当てはまらなかったり、いくつかのタイプが混ざっているようでも、心配する必要はありません。外性器は人の顔と同じで、それぞれ見た目が異なるものだということを忘れないで。
また女性器については色についての言及が多くされていて、悩んでいる方も多いようです。心ない男性から「性器が黒ずんでいるのは遊んでいる証拠」などとエビデンスの全くない誹謗を言われたり、商品でも黒ずみを薄くするという広告がSNS等に流れたり。
人間の皮膚の色は主に3つの要因によって決まります。
- 皮膚の厚さ
- 皮膚の中にある血管の量
- 皮膚に含まれる色素(メラニン、ヘモグロビンなど)の量
皮膚の厚さや血管の量が皮膚の色に影響することがわかっています。特に、皮膚の表面近くにある毛細血管の量が大きく関係しています。
また、メラニン色素は体の様々な場所で分布が異なり、特に腋の下、乳首、性器周辺などに多く含まれています。
そのため、人によっても色が違うのです。
引用:J-STAGE「外 陰 部 ・肛 門部 皮 膚 の色調 とその組 織 学 的 構造」
まとめ
自分の身体を大切に扱うことは、健やかなフェムケアの基本です。 顔の作り、肌の色がみんな違うように女性器についても色も形も違います。それを知ったうえで自分の体をしっかり観察しておくことはフェムケアにとって、とても大事なことです。
- 女性にとって、自分の身体を理解することは非常に重要
- 多くの女性が自分の性器を十分に観察したことがない現状がある
- 女性の生殖器は外性器と内性器から構成される
- 自分の性器を観察する方法としては、鏡や写真撮影がおすすめ
- 女性器の形や色には個人差があり、それが正常なことを知ることが大切
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